先日、久々にオアフ島西側にあるKa Makana Ali’i ショッピングセンターに行ってきました~。化粧室へ向かう途中に飾られていたKapa. とても素敵なのにこんな所にあるなんて勿体ない~と思い、写真を撮ってきました。
以前、BlogでKapaの事を書いた事もありましたが、今日はもう少し深くKapaについて書いてみようと思います。
Kapaは、ご存じの方も多いですがWaukeの木の皮を叩き伸ばした樹皮布。ポリネシアン全島で使用されており、それぞれの名前で呼ばれています。フィジーでは、Masi, サモアでは、siapo, トンガでは、ngatu, タヒチでは、ahu, ハワイでは、Kapaです。
ハワイへとカヌーで入植した初期のハワイアンは、生存する為に必要な植物、動物などを持ち込みました。その中には、このWaukeの木も勿論ありました。Kapaを作る為に必要なWauke,Kapaは食べ物と同じくらい生活に欠かせないもの、生活のほぼすべての場面で使われていたからです。新生児をくるむ布として、洋服として、サンダルに編み込んだり、毛布を作るのに使われたり、そして、フラや儀式用の特別な衣服にしたり、神聖な像を飾ったり、埋葬の準備に使われたりしました。その重要性から、すべての村でWaukeが栽培され、すべての村でKapaが作られました。Ali`i(首長) が徴収した貢税は、食べ物ではなくKapa で支払われることが多かったと言われています。
いくつかKapaにまつわる伝説があるので紹介します。
①Makuakaumanaの伝説では、ハワイの神々のKaneとKanaloaが激しく冷たい雨の中で凍える崇拝者の為にKiheiの作り方をMakuakaumanaに教えます。勿論このKiheiは、上質のKapaで作られたもの。後にオアフ島の北部の人々の前にMakuakaumanaが現れこのKapaで作られたKiheiの作り方を伝授するのです。そう、Kiheiは神からの贈り物なのです。
②Maikohaという農夫と2人の娘達の伝説では、Maikohaが病気で亡なりその後 Waukeの木となり 娘達の手によってKapaが作られ 人々の生活に大切なものとなっていきます。切った枝の破片などが川や鳥達によってハワイ諸島全体に広がりました。Maikohaは、Kapa作りの主となるAumakua つまり祖先神となり何世代にも渡って崇拝されていました。Waukeの枝、つまり新芽を植える時、そして、枝を切り、束にしてKapa作りの際にもMaikohaに祈りを捧げます。Maikohaの娘の一人、Lau Huiki は、準備された樹皮を叩くAumakuaとなり、もう一人の娘 La’a hana も KapaのデザインのAumakuaとなり Kapaを制作する際にこれらのAumakuaへの祈り、崇拝を忘れてはいけないのです。
③月の女神Hinaの伝説の中では、半神Mauiの母Hinaは、古代ハワイアンの伝説に登場する偉大なKapa作りの女神。彼女は今でもKapaを空に広げていると言われています。Kapaはさまざまな色の美しい雲で、時には積み重なり、時には横たわっています。猛烈な風が吹いて雲のKapaが持ち上げられ、投げ飛ばされ、Hinaが押さえるために置いた石が転がり落ちる時、または彼女自身が石を投げ落とす時 転がる石の音が人々に聞こえる雷の音となります。Hinaが雲のKapaを巻き上げると、太陽の光で輝き きらめきます。そうなんです。人々が稲妻と呼ぶものは 雲の上でKapaから別のKapaへと飛び跳ねる太陽光だそうです。
④オアフ島Kahukuに住むKaleiのKu Kapaの伝説。Ku kapaは、Kapaを伸ばす為に叩く道具の事。この叩く音は高い音、低い音など様々。その音で誰のKu kapaなのか分かるくらい特徴のある音。Kaleiは 自分の大切なKu kapaを無くしてしまい、それを探しに出かけるという伝説。特徴ある響きから自分のKu kapaを見つけ出します。拾った女性はフクロウの洞窟に住んでいる女性。女性はKaleiにKu kapaを返しますが、Kaleiが本当の持ち主であるかを確認する為に彼女の家まで付いて行き、Tiを束ねて近くの川に流します。彼女はフクロウの洞窟に戻ると 先程流したTiの束が自分の家に戻っていた。そう、拾ったKu kapaは、本当にKaleiのものだったと証明されるのでした。
最後に。。。
古代ハワイアンの時代 口頭でOliやMeleで文化や工芸伝統、歴史を継承してきました。このKapaを作る際にも唱える大切なOliがあります。私達が、フラの重要な儀式で Leiを身に付ける時、Pāʻūを身に付ける時に唱えるOliと同じ。祖先が繋げてくれたこの素晴らしい伝統と感謝とそして敬意を持って。
ハワイの大切な伝統工芸でもあるKapaのお話。
まだまだ書きたい事はありますが、またの機会に書いてみたいと思います。